三重県警:トイレの訴え拒み、聴取の女性がパト内で失禁(毎日新聞2011年9月17日 12時53分 更新:9月17日 13時57分)
三重県警四日市北署員がパトカー内で四日市市の女性(50)に事情聴取した際、トイレに行きたいと女性が訴えたのに行かせず、パトカー内で失禁していたことが同署への取材で17日分かった。失禁後も聴取を続けたといい、女性は謝罪を求めているという。
同署によると、取り締まり中の署員が15日夕、同市山分町の交差点で一時停止を怠ったとして、女性の車を止めてパトカー内で聴取を始めた。女性は一時停止の疑いを否認しつつ、数回「トイレに行きたい」と訴えたが、署員は「もうすぐ終わるので協力してほしい」と行かせなかった。パトカー内の聴取は約1時間に及び、その間に女性は失禁したという。
深田久司副署長は「配慮に欠けていた。署員から聞き取りをきちっとして対処したい」と話している。【加藤新市】
という内容の記事がアガっている(2022年10月現在リンク先消失)
コレ、警察の対応がヘンテコだっていうので記事としてアガってるワケだ
でも、事実ってのはその場にいた当事者でなけりゃ絶対に判らない
判らないのを解った上で、それでもあえて書く
この状況下において、「警察の対応がヘンテコだ」とは決して言い切れない
ガッコの教員が、校外で補導して歩くときだって、こういう事態は充分に発生しうるからだ
以下、ケーススタディの例として挙げる
1:補導をしていると、万引きしている女子生徒を目撃
2:生徒に接触
3:「キミ、いま万引きしたよな」と本人に確認
4:本人は否認
5:「じゃあ、キミの荷物の中身確認させてもらっても良いかな」と本人に詰問
6:本人、拒絶
7:「それじゃ、キミは自身の無実を証明できないよ」と、促す
8:本人それでも拒絶 同時にトイレに行きたいと希望する
さて、こういう状況下において、生徒を易々とトイレになど行かせるものだろうか
トイレのドコかに盗んだ商品を置いてくるかも知れず、メールや電話でドコかに連絡を取って事後の方策を練るかもしれない
補導者が男性で生徒が女子である場合、トイレ内まで同道できぬため、近場にトイレがなかった場合、本人は逃走の恐れがある
となれば、明らかに万引きの現場を目撃している場合、まずは生徒が事実を認めるか所持品の開示に応じない以上、トイレの申し出を応諾するワケにはいかない
現場でコトに臨むっていうのは、そういう「思いもよらないような事態」に、いつなんどき出くわすとも限らないというコトだ
今回の記事の事例で言うならば、「一時停止違反」をこの女性が否認し続けたコトが、新聞で取り上げられてしまうほどの事態を招いた原因であろうと容易に想像できる
パトでの聴取ってコトは、この場にいたおまわりさんはまず一人じゃない
複数の目で見ても明らかに「コレは確実」ってヤツを聴取するものだ(おまわりさんひとりの言い分だけだと客観性がなくなっちゃうからね)
それでも1時間ちかくにわたって否認しつづけ、挙句に「トイレ」を所望する50代のおばさん…
そんな生々しい映像が目に浮かんでくるようだ
警察を弁護するつもりなどさらさらないが、一度こういう業務をやってみれば「いかにもありそうな事例だなぁ…」と、嘆息の漏れるようなケースだと言える
見出しだけみれば警察のおそまつを強調している三面記事だが、いちど我が身に置き換えて、自身がその職務の遂行中だと仮定してみると良い
己の職務に忠実であろうとすればするほど、こういう事態に陥りやすいモノだ
そして「現場」というのはつねに「ナマモノ」なのであって、時々刻々と変質・進行していってしまうモノである以上、いちいち上司に確認を取ってなどいられないモノでもある
「報告・連絡・相談」などとクチにするコトは容易いが、相談内容はたかだか「一時停止違反」の否認なのであって、ソレをどう処理すべきかなどといちいち本部に相談するというのは、その組織内において自分の無能を露呈してしまうコトと同義なのだ
おそらくは近所にトイレがなかったコト
そしてそれ以上に、メンドくさいおばさんに出逢ってしまったコト
この記事の当事者となってしまった警察官の不幸は、以上二つが同時に発生したコトに起因するのだろうと、勝手に想像する
そういう場合、事故にでも遭ってしまったのだと思って諦めるしかテはない
似たようなメンドくさい事態に覚えのある身として、当事者の警察官には、謹んでお悔やみ申し上げると共に、ココロよりの同情を申し述べたい
コメント
そうだよね。お気の毒だよね、警察官。
官憲の横暴はいけないけど、過剰な権利意識は社会を崩壊させると思う。
しかし、取締りには合点がいかない点も多い。取り締まるよりも事故防止に努めるのが警察の役目だと思うんだけど、警察の言い分はそうじゃないんだよね。
そういう市民感覚が警察に育たない限り、同様の事は、発生し続け、もみ消され続けるだろうね。