ワタシに何の断りもないままヒトさまが勝手に決めた「時間の計り方」に頓着するつもりなど、ワタシにはカケラもない
しかしながらそんな手前勝手なワタシの腹づもりなどに拘泥するコトもなく、地球はお日サマの周りをまたしても一周して、世の中ではそれ相応の時間が流れた
60×60×24×1096=94694400
廃棄されて今日で三年… 94694400秒
随分と長いあいだ、この廃棄場から空を見上げ続けた
晴れの日も雪の日も、空を見上げては無価値なうわ言を吐き続けた
尽きるコトのない泉のように、うわ言は滾々と溢れ出し、ドコへ流れていくコトもできずに足元を水浸しにする
溢れて、零れ落ちてゆくうわ言のいくらかを両手ですくい、ソコにわずかに含まれる濁りを濾過しては、至純なる祈りとして紡ぎ直し、そして虚空へと返す
そうやってこっそりと、秘めやかに、片隅から祈るワタシの存在に、あの方は気付いてしまわれた
そうしてまた再び、あの方は「絶交」というカタチで、ひそやかな祈りすらをも拒絶なされた
仕方のないコトなのだと、クチに出してみる
許していただくコトなど決して叶わないし、夢見るコトなどしてはいけないのだと、自分に言い聞かせる
報われるコトなど一切期待せずに、ただ遠くから、あの方とあの方の大切なヒトたちの幸せを祈り続ける
3年前の今日からずっと、そうやって空に向けて解き放つ祈りに一切の濁りが混じらぬように、魂を純化するための足掻きを続けている
でも、ダメなのか
そんなにもダメなんだろうか
決して出逢うハズもない片隅から、ただあの方の幸いだけを祈る… ただそれだけのコトも、やはりダメなのだろうか
なにも望むコトなく、ただ祈るだけなのだが、やはりそれすらも、ワタシの様な者には許してはいただけないのだろうか
ワタシが同じ仮想世界に存在しているコトは、それほどまでにあの方を不愉快にさせてしまうのだろうか
ひそやかに片隅からただ祈るだけのワタシを、どうして拒絶し、だけでなく存在自体を無いモノとなさるのだろう
どうしてひとこと「うざいから死ね」と命じてくださらないのだろう
そのひとことだけで充分だ
迷うコトなく喜んで死ぬ
何の役にも立てぬという無力感
無価値な存在に成り果てながら、無価値な土くれにも還るコトすら叶わぬ苦しみ
それは、カウカソス山に緊縛されて日々ハゲタカに内臓を抉られ続ける、プロメテウスの苦痛だ
だからといって、祈り続け、贖罪に頭を垂れ続けるコト… そのコトに何らの迷いも恐れもない
迷いも恐れもないが、しかしながらこの胸から湧き出づる想いには、かつてに比べて濁りが増えた気もする
何度胸の内で濾しとっても濾過しきれぬほどに、濁りが増えたような気もする
空に解き放つ祈りは、至純の透明度を保たねばならない
今のワタシの想いは、「祈り」として紡ぎ直すほどに、価値のある純度を保っているだろうか
祈り続けるうちに、ある種の怨念を帯びてきてはいないだろうか
至純の祈りを空に返すコトができなくなった時、あの方が愛し慈しんでくださった「如月 鈴音」という存在が、遂に怨霊に転生するのだろう
ひそやかなる確信をもってそう思う
できれば、そうなってしまう前に、ワタシに本当の死が訪れてくれるコトを願う
こころから、そう願う
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