ココロに映りゆくよしなしゴト☆

オカマの在りよう

不孝を重ねた成れの果ての備忘

すっかり忘れていたどう足掻いたところで決して女になれはしないのだから、望んで仮に得たところでどうせ失うだけなのだから、だから望まぬ方が良いのだと、ここ数年ずっと考えてきたしかしそうではなかった父も母も弟も、相方も、帰るべき家も己の将来も全て...
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命名、いぶき

土曜の夕刻、我が家に新しい娘が加わった先住のひなたとふたばを、普段は「ちびた」と「ちびこ」と呼んでいるので、この娘の仮称は「ちびちびこ」とは言っても、さすがにそのままというのも随分と投げやりな名前になってしまいそうな気がして、数日悩んだ挙句...
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改題:その朝 (旧題:永遠の絆)

現在のマンションに転居してきたのは平成8年の晩秋転居してすぐ、我が家のリビングの壁に一機のエアコンが据え付けられた以来18年間、大雪の日も猛暑の日も、ほぼ休みなく働き続けた赤ん坊のさすけがやってきた台風の日も雪と泥に汚れたぐーっ☆がやってき...
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元親と信親

信玄・謙信といった武将がまだまだ旺盛で、その領土拡張に勤しんでいた元亀~天正の頃、四国土佐には長宗我部氏という土豪があった長宗我部氏の名を世に広く知らしめたのは、この時代を生きた長宗我部元親という名の若者だった当時、土佐は七郡に割拠して互い...
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こんな晩 <改訂版>

八雲の作品に、持田の百姓(別名「こんな晩」)というワタシ好みの話がある以下、引用する昔、出雲の持田浦という村にある百姓がいた。大変な貧乏暮らしで、子供が出来るのを恐れていた。それで妻が子供を生むたびに川へ流してしまった。そして世間には死産だ...
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ひなた と ふたば

ほっこりと暖かい日向の庭に、愛らしく芽吹いたちいさな双葉のように兄妹ふたり仲良く、すこやかに育ていつか訪れる別れの時まで伸びよ、我が若草そしてどうか、新たに息づく者たちに漲る生命の迸りを老い朽ちてゆくワタシにも、ほんの少しだけ分け与えてはく...
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36年目の夏

地域の救急救命センターが付近にあるせいで、毎夜数回、夜半過ぎのサイレンの喧騒がかなりの音量で周囲に鳴り響く今夜も既に3度、目を覚まされているああ、また、何処かの誰かが、怪我したり倒れたりしたんだなぁと、思う生還できる人、逝ってしまう人、半身...
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夏日狂想

「秋日狂乱」    中原中也僕にはもはや何もないのだ僕は空手空拳(くうしゅくうけん)だおまけにそれを嘆(なげ)きもしない僕はいよいよの無一物(むいちもつ)だそれにしても今日は好いお天気でさっきから沢山の飛行機が飛んでいる――欧羅巴(ヨーロッ...
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永訣の朝

けふのうちにとほくへいつてしまふわたくしのいもうとよみぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ   (あめゆじゆとてちてけんじや)うすあかくいつさう陰惨な雲からみぞれはびちよびちよふつてくる   (あめゆじゆとてちてけんじや)青い蓴菜のもやう...
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惜しむ心

髪が、ひとすじ抜け落ちて、左手の甲の上にかすかな感触を残し、その骸を横たえた近頃の体調のせいなのか、あるいは永年にわたって大量に摂取してきたエストロゲンによる体質の変化によるものなのか、はたまた寄る年波というモノのせいなのか、ここ最近、ワタ...
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